こんにちは。親子での『お話し合い終活』を推奨する、行政書士安藤あつゆき事務所代表の安藤です。

 

揉めない相続への対策として、親子での話し合い→エンディングノートに記載、というのを当事務所では推奨しております。

相続時に大変な思いをしたくない子どもからの要望――こうしたきっかけでエンディングノートを書き始めた親もいらっしゃることでしょう。

というのも、相続時に行う手続きとしては一般的に、遺品処分、金融資産の相続手続、実家などの不動産相続手続、死亡保険の請求、死後の役所関係の手続き...とたくさんあり、また相続前であっても、介護、親が意思能力なくなった時の治療方針、葬儀やお墓(納骨堂)に関する事項等は事前に親の希望を聞いておきたいところです。

エンディングノートに上記の情報が記載されていればとても楽になることが分かっているため、子どもとしては親に終活を始めてほしいのです。

 

しかし、親の方から「子どもに自分の想いを伝えておきたい」と積極的にエンディングノートを書く方も、もちろんいらっしゃいます。

ただイザ書き始めても市販のエンディングノートは分量が多いため、途中で断念してしまう方が多いのも事実です。

そのような方におすすめなのが、『お手紙方式』です。

そこで、本日は『お手紙方式』のエンディングノートに関してお話しをしていきたいと思います。

 

そもそも親が積極的にエンディングノートを書く場合というのは、それだけ子どものことを想っていらっしゃる証拠です。

そのような方は子どもに対して、伝えたい想いというものが人一倍あるものです。

であれば、そうした想いをお手紙として書き記していけばよいのです。

書き方でございますが、一般的なお手紙と同様に考えて問題ございません。

まずは皆さまの気持ちを、想うがままに記載していきましょう。

そして子どものことを想いながら、

 

・もし介護が必要になったら、~で暮らしたい。
・意思表示ができなくなったら、~にしてほしい。
・葬儀は、~の形式でしてほしい。
・預貯金や生命保険などの書類関係は、タンスの~にまとめてあります。
・実家は、~してほしい。



 

など、ご自身の希望を書き記していくのです。

 

この『お手紙方式』の良い点は、「自由に情報を追加していくことができること」です。

市販のエンディングノートの情報のみならず、皆さまが伝えたいと思う追加情報は何でも記載できるのです。

その「追加情報」の例として、6月6日の朝日新聞の「ひととき」に「このような情報をエンディングノートに記載するのは素敵かも」と思える記事が掲載されていたため、以下にご紹介したいと思います。(記事タイトルは「手渡した母子手帳」です。)

 

その記事は、過去の「ひととき」に掲載されたある方の「母子手帳を卒業」に共感した、という内容から始まっていました。

そして、その過去の「ひととき」に書かれていたのは以下の内容。


娘の健やかな成長の記録がつづられた手帳について「娘に手渡そうと思う日がくるのだろうか」と書かれていました。

引用元:朝日新聞(2020.6.6)

この過去の「ひととき」に共感された6月6日の投稿者様も、母子手帳を存分に活用された方のようでした。

私も子どもたちの成長を喜び、予防接種や病歴などを丁寧に記録しました。わが子はすでに独立していますが、たくさんの思い出がつまっていて、いつまでも手元に置いておきたい気持ちでした。

引用元:朝日新聞(2020.6.6)

そして具体的な母子手帳の活用方法としては、以下のような感じ。

はしかや風疹が流行するたびに「予防接種はした?」と聞かれ、私は母子手帳を見て「したよ」と返答をしてきました。

引用元:朝日新聞(2020.6.6)

(妊娠している女性に風疹をうつしてしまった場合、障害のある子として赤ちゃんが生まれてしまう可能性があります。従って予防接種をしておくことは、とても大事なことです。)

※なお札幌市のように、条件付きで風疹抗体検査や予防接種を無料で行っている自治体もあります。不安な方は、お住いの自治体などにお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。(なおこの風疹に関する記事は過去ブログの、→こちらで読むことができますよ♪

 

このように投稿者様の周囲で大活躍してきた母子手帳。

しかし、そんな大切な母子手帳を投稿者様が手放す時期がやって参ります。

ふと不安がよぎりました。「もし私が認知症になったら。交通事故や災害に遭ったら……」。熟慮の末に昨年、子どもたちに手帳を手渡しました。

引用元:朝日新聞(2020.6.6)

「認知症になったら」「交通事故や災害に遭ったら」...この問題は高齢者に限ったことではありません。

認知症は若い方でもなります。また交通事故や災害が世代関係なく起こってしまうことは、ご存じの通りです。

生前対策(終活)は全世代に必要なものです。

 

さて、上記投稿者様は母子手帳を子供たちに手渡すという選択肢をとりましたが、私は『母子手帳の情報を(お手紙方式の)エンディングノートに記載する』という方法もありだと思います。

また母子手帳をコピーし、『お手紙と一緒に手渡す』という方法も良いかもしれませんね。

生前対策(終活)は人それぞれの行い方があります。

本ブログの前半部分に『お手紙方式』の記載例をあげましたが、別にあの通りの順番で書く必要はございません。

皆さまが大切な方を想っていれば、自然と大事な情報は出てまいります。

もちろん市販のエンディングノートを参考にして、「あ、この情報も書いておいた方がいいかも」と思われた場合には、そうした情報を付け加えて頂いても全くかまいません。

そして母子手帳の情報などのように、一般的なエンディングノートには記載されていない情報が書いてあれば、オリジナリティ溢れるとても素敵な『お手紙』ができあがることでしょう。

 

しかし「この情報が知りたい」と思っていたのに、その情報がお手紙に記載されていなかった場合、子どもの側が少しがっかりしてしまうことも考えられます。

従って、このお手紙は生前に子どもに見せておくことを推奨いたします

子どもも親からこうした大切なお手紙を見ることによって、真に親の気持ちが分かるようになりますし、加えて将来における親との時間を「安心・穏やかに」過ごすことができるようにもなるのです。

 

・ご自身の想いを伝えるエンディングノートが「作業」になってしまっている方
・その「作業」が全然進まない方

 

ぜひ『お手紙方式』で皆さまの想いを大切な方へお伝えしてみてはいかがでしょうか。

 

最後に投稿者様の母子手帳に対する想いをご紹介して、本日は終わりにしたいと思います。

つい最近も次男が「BCG接種はした?」と聞いてきました。新型コロナウイルスの感染率や死亡率との関係は不明ですが、心配になったのでしょう。母子手帳はもう手元にありませんが、親子の会話のきっかけになりました。できれば親子で一冊ずつほしかったと寂しく思うこのごろです。

引用元:朝日新聞(2020.6.6)

 

 

最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

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