こんにちは。北海道札幌市の行政書士、安藤です。
当事務所の『オーダーメイド終活』において、お客様に生命保険をご提案する場合がございます。
このまま相続が発生した場合、相続税がかかってしまう!
そんなとき、『法定相続人の数×500万円』まで相続税が非課税となる生命保険は、“お得な切り札”になるのです。
「法定相続人×500万円までが非課税?...うーん、よく分かんない!」
といった方のために、簡単な具体例を。
例えば、父、母、長男、長女という4人家族がいたとします。
父は財産を6,300万円保有していました。
ある日、父が亡くなってしまいます。
このとき父の遺産を相続するのは、母、長男、長女の3人です。
相続人が3人の場合、4,800万円までは基礎控除となり相続税がかかりません。
しかし遺産は6,300万円なので、残りの1,500万円には相続税がかかってしまいます。
ここで父が生前、母、長男、長女にそれぞれ500万円支給される生命保険をかけていれば、その1,500万円には相続税がかからないのです。
※実際は保険料=支給額とは限らないので、上記はあくまで“一例”です。
このように、保険は終活において力を発揮するものですが、実は他の使い方も増えてきているのです。
その一つが、「神戸モデル」。
まずは「神戸モデル」が始まるきっかけに関して、2018年12月23日の朝日新聞より。
認知症の人の事故や、第三者への賠償責任に関心が高まったのは、愛知県で認知症の男性が列車にはねられた事故がきっかけでした。JR東海が、振り替え輸送費など約720万円の損害賠償を家族に求めたのです。2016年の最高裁判決は、同居の妻ら家族に賠償責任はないとしましたが、事情によっては家族も責任を負う余地を残しました。
引用元:朝日新聞(2018.12.23)
“認知症の方が列車にはねられ、その家族がJRから損害賠償請求をされてしまう。”
こうした事件、皆さまも新聞やテレビなどでご存じかもしれません。
上記裁判においては家族への賠償責任は否定されましたが、「事情によっては家族も責任を負う」場合があるという判決内容なので、家族に認知症の方がいる人にとっては、“明日は我が身”かもしれない状態です。
こうした不安な“明日は我が身”状態。本来なら国が積極的に動くことができれば一番よいと思うのですが...
こうした場合の公的補償については、国も関係省庁の会議で検討したものの、結論は「見送り」に。
引用元:朝日新聞(2018.12.23)
そこで神戸市が、「神戸モデル」と呼ばれる制度を始めることにしたそうなんです。
ではその「神戸モデル」とは、具体的にどのような制度なんでしょうか。
以下に制度の要点を記載してみます。(「神戸モデル」特設ホームページ(神戸市)(https://kobe-ninchisho.jp/)を加工して作成)
・対象者はだれか?
→65歳以上の神戸市民。
・何ができるか?
→自己負担ゼロで認知症診断が受診できる。
・認知症と診断されると、どうなるか?
→4つの安心が無料で受けられる。
(1)最高2億円の賠償責任保険に加入(保険料は市が負担)。
(2)コールセンターが24時間365日、事故の相談対応。
(3)非常時のかけつけ(捜索)サービスを含むGPS(衛星利用測位システム)の導入費用を負担(こちらは一部有料)。
(4)認知症の方が起こした火災や傷害などの事故に遭われた方に対し、最高3,000万円の見舞金(給付金)を支給。
・保険料の費用はどうやってまかなう?
→市民税の上乗せ(1人あたり年間400円)。
以上のような感じになっております。
「認知症と診断されるのが怖くて、受診したくない。」
あるいは、
「認知症になった家族を、なるべく他人に知られたくない。」
そう思っている方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、この「神戸モデル」のような制度があれば、『堂々と受診』でき、また『認知症の家族がいます』と公言しやすそうです。
ぜひ、国による制度化を切望します!
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
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