こんにちは。北海道札幌市の行政書士、安藤です。
終活を行うにあたり、必ず決めておかなければならないものが2つあります。
1つは財産の分配方法、もう1つが病気における治療方針です。
この治療方針には、「自分の最期はこうしたい」という希望も含まれると思います。
家族にはいつも「延命をせずに看取ってほしい」と言っている。ただ、病院では医療行為の中断は難しいと聞く。
では自宅なら自分の希望を叶えやすいのではないか、こうした理由から在宅医療を選択される方もいらっしゃいます。
そんな中、『病院』か『在宅』の2択に加え、『特養での看取り』という選択肢が広がっているようです。
以下、10月20日の朝日新聞 be on Saturday より。
【介護施設での看取り】
国は超高齢化をにらみ、介護報酬の加算を追加するなど、特養を含む介護施設での看取りを後押しする。国の調査では「希望があれば施設内で看取る」とする特養は78%に増えた。ただ全国に約1万ある特養の多くは、配置医師が非常勤のため、死亡診断をする医師の確保が課題になっている。
引用元:朝日新聞 be on Saturday(10/20)
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では特養での看取りとは、どのようなものなのか。
横浜市の特養「グリーンヒル泉・横浜」の特養ケアマネジャーの小山輝幸さんが、上記記事の中でお話しされている内容を見ていきたいと思います。
(入居者さんは)認知症があり老衰も進んでいました。誤嚥性肺炎を発症、入院治療をしても食事をとると再発し、熱が引かなくなりました。
主治医は「しっかり治療して、また食べられるようになっての退院は、難しいでしょう」と家族に告げました。家族は「胃ろうはさせたくない」と考えていました。
引用元:朝日新聞 be on Saturday(10/20)
病院のお医者さんは「退院は、難しい」と告げた。つまり、胃ろうなどが必要という意思表示でしょう。
一方の家族はというと、それに対して賛同出来かねる考えのようです。
今まででしたら「病院での治療が希望に沿わない。ならば在宅で」という流れ。しかし小山さんは、「グリーンヒル泉・横浜」の看取りの流れ(亡くなる時期が近づいてくると起こる体の変化、それに応じる対応など)をご家族に説明します。
具体的には、
イラストつきの資料を見せながら、「最期の方は、あえぐような呼吸になりますが、苦しくはないんですよ。そのときには酸素マスクもつけません」「点滴も、ある時期からは体がむくみ、かえってつらくなるので控えます」
引用元:朝日新聞 be on Saturday(10/20)
といったことをお話しされます。
この説明にご家族も納得され、その後入居者さんは施設で穏やかに旅立たれたそうです。
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人生の最期に関しては様々な考え方があると思いますが、少なくとも本人が延命治療を望んでいないのであれば、その希望は叶えてあげて欲しいと私は思います。
ただ、家族間で話し合っていない(例えば親が子供に延命拒否の意思を伝えていない)ような場合、兄弟姉妹で共通の意思を有していないため、お医者さんから「胃ろうをしなければ餓死させることになりますが、それでもよろしいですか?」と聞かれれば、胃ろうを拒否することは難しいでしょう。
結果、親の希望は叶わなくなります。
しかし、生きていく上でQOL(=Quality Of Life)の維持、あるいは向上が必要だと考える方もいらっしゃいます。「ただ生きている状態にはなりたくない」と思ったからこそ、親は延命治療を望まなかったのではないでしょうか。
※Quality Of Life=生活の質。
特別養護老人ホームの医師中村仁一さんも、『大往生したけりゃ医療とかかわるな 「自然死」のすすめ』(幻冬舎新書)の中で、上記のような言を発する医者に対して以下のように述べております。
本来、医療には目標がなければなりません。それは、①回復の見込みがある、②生活の中身(QOL)が改善する、などです。
いのちの火が消えかかっている状態での胃瘻は、回復させることも、生活の質の改善も期待できません。のみならず、身体がいらないといっている状況下で、無理に押し込むわけですから、かなりの苦痛と負担を強いることになります。
引用元:大往生したけりゃ医療とかかわるな 「自然死」のすすめ (幻冬舎新書)
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本当の終末期(=人生の最終段階)においては、上記朝日新聞の記事にもあったように、本人は苦痛を感じないようです。
治らないと分かっていても、あらゆる治療を希望し延命を願う方もいらっしゃるでしょう。現代において、そうした方に対する医療体制は整っております。
であれば、「最期まで自分らしく生きたい」と願っている方に対しても、同じように希望を叶えてあげる必要があります。
当事務所は、一人ひとりの希望に沿った終活のお手伝いをさせて頂いております。
ご希望の方は、ぜひご相談にお越し下さいませ。
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最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
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