こんにちは。北海道札幌市の行政書士、安藤です。

国の奨学金を借りた本人と連帯保証人の親が返せない場合に、保証人の親族らは未返還額の半分しか支払い義務がないのに、日本学生支援機構がその旨を伝えないまま、全額を請求していることがわかった。

引用元:朝日新聞(11/1)

この奨学金の問題は大きなニュースとなったので、朝日新聞以外の他紙でも掲載されたことでしょう。

ただ中には、「保証人が返済する義務は半額なんだ~」と覚えてしまっている方がいらっしゃるかもしれませんので、本日は『保証人と連帯保証人の違い』について、お話したいと思います。

事例

※私は国の奨学金を利用したことがありませんので、国の奨学金とは関係ない事例をご紹介致します。(例によって、フィクションです。)

 

とある一軒家。

その2階の一室で、高校生Aは悩んでいた。

「あ~、勉強したいなぁ。でも大学に行くお金なんてウチには無いしな...」

ピカッ!

「わッ、光が...光が一面に...なんも見えねぇ!」

『お金が欲しいのカネ?』

「あなた誰? ...どーでもいいけど、勝手に光とともに現れないでくれる?」

『はじめまして。私はとある国の営業マン、カネカシと申しマス。』

「...いろいろツッコミどころはありますが、話を進めたいので。 ―そうです。私はお金が欲しいんです!だけど、どこからもお金を借りることができなくて...」

『私はとある国の営業マンなので、この国とは全く関係ありません。従って、あなたにお金をお貸しすることができマス。』

「ありがとうございます!」

『条件は3つ。①あなたが主債務者になること。②あなたの親が連帯保証人になること。③さらにもう一人、保証人をつけることデス。』

「すみません、主債務者って何ですか?」

『主債務者というのは簡単に言いますと、お金を借りる本人のことです。今回、我がとある国はあなたにお金を貸しますので、あなたがお金を返済する義務を負います。また主債務者は、主たる債務者ともいいマス。』

「なるほど。では、連帯保証人って何ですか?」

『連帯保証人とは簡単に言いますと、あなたと連帯して我がとある国に返済する義務を負う人デス。』

「そっか。私が返済できない場合、そちらは困るわけだしね。それじゃ、もう一人の保証人というのは?」

『最後の保証人は、あなたも親御さんも返済できない場合に備えるためです。なにせ、あなたはまだ働いていない。従ってもう一人保証人をつけることで、我がとある国はあなたに安心してお金を貸すことができるのデス。』

「ふーん。(...しかし、とある国ってどこなんだ?) ―それじゃ連帯保証人の件は親と相談してみることとして、保証人はおじさんとかでもいいのかな?」

『おじさんオーケーです! おじさんグレイト! おじさんビー・ハッピー!』

「...じゃちょっと、相談してみるね。」

こうして高校生Aは親とおじさんに了解を頂き、とある国からお金を借りることになりました。

 

・主債務者=A

・連帯保証人=Aの父

・保証人=Aのおじさん

という役割になります。

 

Aは無事に大学に合格し、楽しい大学生活を送りました。

月日は流れて...

 

とあるマンション。

Aのおじさんは、このマンションの一室を借りて住んでいる。

「あ~、なんか体がだるいなぁ。今週は忙しかったし...少し昼寝でもするか。」

ピカッ!

「わッ、光が...光が一面に...なんも見えねぇ!」

『お昼寝しようとしているところ、誠に申し訳ありません。私はとある国の営業マン、カネカシと申しマス。』

「とある国?カネカシ?...めっちゃ怪しいな、あんた。」

『怪しくありません。あなたがAさんの保証人になられた時、私一度お会いしてマス。』

「Aの保証人?...あ、あれか!? Aが大学行く時の?」

『そうです。そしてAさんとお父様は返済できなくなりましたので、本日はあなたに返済をして頂こうと思い、とある国からはるばるやってまいりまシタ。』

「えーっ?彼ら返済できなかったの!?...そっかー、それじゃ保証人の私が返済しないとしょーがないよな。それに、とある国からこの国まで来るにも、けっこう時間かかったんだろ?」

『はい。大体10年位デス。』

「片道10年!? そんなにかかるの!? ―え、それって、割りに合わない仕事なんじゃないの?」

『でもこの国に換算すると、約1秒デス。』

「短いな!じゃあ全く問題ないわ!何なら、この国内を移動するよりスムーズだわ。」

『というわけで、Aさんにお貸ししたお金を全額、お支払い願いマス。』

「まぁ返済しないとは言わないよ。こんなこともあろうかと、ちゃんと用意はしておいたんだから。はい、これ。」

『助かります。では金額を確認させて頂きます。 ...あの、すみまセン...』

「どした?」

『なんかお金が、半額くらいしか入ってないんですケド...』

「いや半額くらいじゃなくて、ぴったり半額だよ。」

『困りますよ!保証人なんだから、ちゃんと全額払ってくださイヨ。』

「『困りますよ』はこっちのセリフだよ。私は半額しか支払う義務がないんだから。」

『どういうことでスカ?』

「今回、Aがとある国からお金を借りる際、Aの父と私、つまり2人が保証人になった。こういうのを“共同保証”というんだが、この共同保証の場合は原則として、分割債務の規定が準用される。分かりやすくいうと、保証人はそれぞれ、Aの債務の額(=Aが借りたお金)の2分の1ずつの範囲で、とある国に対して保証債務を負うことになる。」

『2分の1ずつ? ―というこトハ...』

「そう。つまり半額返済すれば、私は保証人としての義務を果たしたことになるんだ。」

『そんな...いや、しかし! 我がとある国では、そんな契約を締結していないはずでスヨ!』

「いや、そんな契約を締結しているよ。ほら。」

『ええっ!? ―本当だ。でも、どうシテ...』

「だって、この契約書は私が作成しただろ。カネカシさんも『この契約でいい』って言ってたじゃん。」

『...思い出しました。本国に持ち帰ったらこれでいいって言われたから。 ...ああ~、“まず我がとある国に50%のお金を渡し、その残りのお金が私の取り分”という規定なのに...なんて日ダ!』(小峠英二さん、すみません。)

「けど、残りの50%は貰えるんだからいいんじゃないの?」

『返済してもらった金額の50%ではなくて、Aさんにお貸しした金額の50%を、まずは我がとある国に納めないといけないんデス!』

「Aに貸した金額の50%? ―ということは...」

『今回の私の取り分は無しということデス...』

「...まあ、契約を締結する時は、きちんと契約書をチェックしないとダメってことだな。これを読んでるキミも気をつけようね!」

『何の話でスカ?』

「いや、こっちの話。という訳で、私は昼寝をしたいのでそろそろ帰ってもらってもいいかな?」

『...うえぇーん! 人間のバカヤロー!』

ピカッ!

「光と共に去りぬ...か。」

というわけで、Aのおじさんは自分の国の法律を知っていたので、その内容で契約書を作成し、保証人の義務をきちんと果たしました。

長くなってしまいましたので、この保証人の義務に関しては次回、もう少し詳しく解説してみたいと思います。

 

最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

当事務所へのご相談は→こちらのホームページからどうぞ♪