こんにちは。北海道札幌市の行政書士、安藤です。
2018年6月15日、北海道が「SDGs未来都市」に選定されました。
※同時に、「北海道札幌市」もSDGs未来都市に選定されております。
SDGs未来都市とは、自治体によるSDGsの達成に向けた取組を公募し、優れた取組を提案する都市を「SDGs未来都市」として全国から選定するもので、内閣府が2018年から開始した制度です。
「そもそも、SDGsって?」という方のために、札幌市ホームページ(http://www.city.sapporo.jp/)の“「持続可能な開発目標(SDGs)」とは”から、引用してみたいと思います。
「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、SDGs[エス・ディー・ジーズ])」は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された、2016年から2030年までの国際目標です。
引用元:札幌市ホームページ
持続可能な世界を実現するための17のゴール(目標)と169のターゲット(取組・手段)から構成され、地球上の誰一人として取り残さない(no one will be left behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国も含めた全ての主体が取り組む普遍的なものであり、日本においても積極的に取り組んでいます。
簡単に言いますと、「2030年までに、17の目標を実現していこう!」というものです。
その17の目標のうちの一つである『6』に、「安全な水とトイレを世界中に」というものがあります。
日本では大抵の場所で、トイレを使用し用を足すことができます。
しかし世界では、多くの人がトイレで用を足すことができておりません。
以下、2019年1月7日の朝日新聞より。
地球上では8億9千万人が野外で排泄をしているといわれている(2015年時点)。
引用元:朝日新聞(2019.1.7)
このため、「SDGsでは、これを0人にすることが具体的な目標のひとつ」であり、『6』として「安全な水とトイレを世界中に」という目標をおいているのです。
しかし世界中の全ての地域において、私たちが普段使用している水洗トイレを設置することは、果たして可能なんでしょうか。
とはいえ、すべての地域で水洗トイレになるのは到底無理な話だ。まず水がないし、金も技術も、人材も足りない。
引用元:朝日新聞(2019.1.7)
そう、そもそも全ての場所に水があるわけではありません。(日本でも山の中など、水洗トイレの設置が難しい場所もあるかと思います。)
また「お金」、「技術」、「人材」といった様々な問題も発生します。
そこで、「水で流さなくていいトイレ」を販売している会社が北海道にあります。それが旭川市の正和電工が売り出す、「バイオトイレ」というもの。
この「バイオトイレ」を開発したきっかけは、社長のお母様の介護だそうです。
病院に見舞いに行った時、母が気まずそうに、おまるを隠した。「部屋ににおいがしないトイレがあればいいのに」と思った。
引用元:朝日新聞(2019.1.7)
そしてこの時使用したのが、おがくず。
し尿の9割は水分で、1割が有機物。わずかに無機物も含まれる。おがくずの中で水分を蒸発させれば9割が消滅し、有機物もほとんど微生物に分解されるという。
引用元:朝日新聞(2019.1.7)
また、おがくずと排泄物を混ぜながら、同時に温度を約50度に保つヒーターを作動させることで大腸菌を死滅させ、「水洗トイレより臭わない」ようにできるとも。
こうした技術を応用し、現在までに様々な場所に設置されてる「バイオトイレ」。
一例をあげれば、
災害時に避難所で使える個人用のトイレも作った。
引用元:朝日新聞(2019.1.7)
また、
大雪山系黒岳に設置されたトイレは無電源式で、自転車のペダルをこいで、おがくずを混ぜる。
引用元:朝日新聞(2019.1.7)
といったものも。
実は北海道においても、「水の問題」が深刻化しつつあります。
例えば水道管の老朽化により、修理の必要性が生じます。
その財源はもちろん、私たちが支払う水道代。
となると、水道代を値上げせざるを得ないかもしれません。
また、人口は減少の一途をたどっております。
であれば一人ひとりの水道代の負担は、ますます重くなってしまうことでしょう。
となれば、「水を使用しないトイレ」は、将来における“必需品”になってくるかもしれませんね。
SDGsに関し、「持続可能な開発目標っていうけど、規模が大きすぎて何から始めたらいいのやら...」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし上記のように、身近なものから『何かひとつ』を取り出して考えてみるのもいいかもしれません。
SDGsは17もの目標があるので、皆さまが取り組んだ問題がそのどれかに当てはまるのであれば、それは立派にSDGsに取り組んでいると言えるでしょう。
また、たとえ皆さまが取り組んだ問題がSDGsに当てはまらなくても、それはそれで全然問題ありません。
なぜなら皆さまにとって『大事な問題』であるのならば、それは解決に向けて取り組んだ方がいいに決まっているからです。
ぜひ『安心する日常』を過ごすために、皆さまにとって大事な問題を、時には大切な人とコミュニケーションを取りながら、解決していきましょうね。
さて、本日は「水」に関するお話しでした。
最後に本記事を取材した記者の感想をご紹介して、終わりにしたいと思います。
北海道を見れば、実は近い将来、水道設備の維持が非常に難しいことに気づく。取材の中で、トイレは世界の、日本の、北海道の課題だと改めて気づかされた。どうか、くさい物にふたをせず、水に流さずに考えてほしい。
引用元:朝日新聞(2019.1.7)
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
当事務所へのご相談は→こちらのホームページからどうぞ♪
※本ブログの内容にご満足された場合、以下の各SNSからシェアして頂けると嬉しいです!